「よぉーし! これでオッケー!」
「すごい機材です」
「です」
「1人で運んだんですか? 言ってくれれば手伝いましたよ」
「です」
「いや、平気平気。もう終わったしな。サンキュ」

 朝からやって来たのは人もまだ疎らな青浪敬愛大学星港新校舎。そう、この春から青敬の一部学部はこの新校舎に移転することになっていて、それに伴いAKBCの活動もこれまでのキャンパスからこっちに移動することにしたんだ。で、旧サークル室から機材を運搬するっていう作業をちょこちょこやってて。
 元々人の集まりが鈍いAKBCだけど、どちらかと言えば移転する校舎の方にメンバーが多いこと、それから、来年度からはなんか暗黙の了解みたいな感じで俺がまとめることになってたんだけど、その俺の独断と偏見で決めたっていうな! 俺パねえ。向こうの校舎から来たいっつー奴は俺が送迎すればいいんだし。