「関さん」
「まだです!」
「まだ何も言ってないのにどうして返事が正しいんだ。心当たりがあるなら早くもらってきて」
「はあ〜い」

 緑ヶ丘大学出版部には、鬼がいる。部長の大橋詠斗クンは、とにもかくにも部室の中では厳しくて怖い。そんなだから荒れてるときには部室にいたくないんだよねえ。まあ、早くもらうものをもらってきてと出掛けるよう言われたので、遠慮なくお出かけしますねえ!
 出版部では、月に1冊ペースで部誌を発行している。その内容はタウン情報誌みたいな感じかなあ。緑大周辺のグルメやイベント情報をだったり、緑大の中のニュースだったり。いろんなことを取り上げてる。コーナーの一環として小説やマンガ、おすすめ小説やCDなんかの紹介コーナーもあったりして。
 で、その部誌の表紙は同じ文化部のつながりということで美術部さんにお願いしている。だけど、美術部さんも美術部さんで忙しいのか、締め切りに結構ルーズだったり。表紙データをもらってこいと言われてまだですと返事をする度大橋クンが火を噴きそうになっている。まあ、逃げますよね!