「おはようござ……」
「トンち!」
「……うわ、びっくりした。美沙子さんおはようございます」
「全然ビックリしてない! やり直し!」

 ここしばらくサークルに顔を出していなかったから、久々に顔を出してみたらいきなりこうだ。サークル室に入るなり、DJネーム崩れのふざけたあだ名で人を呼んで来る4年生。その後ろでは、無能がのほほんととぼけたように笑っている。

「リテイクは勘弁してください。それで、今日はまた何の用事で」
「クレーンゲームがやりたいんだよ」
「UFOキャッチャーとか、ああいうのですか」
「そう、ああいうの。ゲーセンに行きたい」
「行けばいいんじゃないですか」
「トンち、付き合ってくれるよね」