「高崎ー! 助けてくれー!」
「断る」
「そこを何とか! この通り! ほら、金曜2限って安部ちゃんの授業じゃん? さすがにこれ落とすといろいろマズいじゃんな?」
「知ったことか」

 テスト期間になるとこうやって飯野が俺に泣きついてくる。これもよく見る光景だ。宮ちゃんは単純に授業に出てないだけだから助けるのも楽だが、飯野にはさらにバカであるというのがついてくる。ノートやプリントだけ渡して引き下がるような奴でもなく、テスト対策までやらないといけないのが面倒なんだ。

「サークル説明会でMBCCの枠をねじ込んでやった恩を忘れたか」
「いつの話してんだ。つかそれはその時にそれ相応の対応をしたはずだ。確か、カツ丼だったか」
「クソッ、ドライな奴め」
「粘着質よりいいだろ」