「おーい、高崎ー! たーかーさーきー!」

 買い物をしてアパートに戻ると、下の部屋を訪ねる人の姿がある。背は多分俺より高い。185くらいかな。顔もガタイもいい。髪は長い。無造作と言えば無造作だし、ワイルドとも取れるけど。
 その人が高崎先輩を呼びながらドンドンと扉を叩く姿に、普段俺がされていることを想う。そもそもあの人は今、部屋にいるのか? 駐輪場を覗くと愛車はあるし、いるみたいだけど。