しばらく振りに地元に戻ると、言いがかりと言うか何と言うか、うちに言われても仕方のない恨み節で迎えられた。今日は晴れているけどどれだけうちは嵐を呼ぶ娘扱いされているのかと。
 特急を降りた駅のロータリーで親の――芽依ちゃんの車に乗りこむ。雪で真っ白に染まった町を眺めながら、誰かさんが帰ってくると雨や雪がヒドくなるからこっちは大変よというクレームを処理して。

「菜月、どこかでご飯でも食べて帰ろうか」
「いいね」
「こないだ緑風に初めて出来たお店があってー、気になってるんだけどそこはどう?」
「へえ、こっちにもいろいろ進出する時代になってるんだなあ」