「のーさーかーくーん、あーそびーましょー」

 ――と呼んだところで野坂さんが出てくる気配はなく。代わりに出てくるのは本人がまだ寝ていることを告げに来るお母さん。悪いけど少し待っててくれる、と通された野坂家のリビングはお正月模様。

「ゴメンねこーたくんフミがいつも」
「いいえ、それを見越した時間に来てますので」
「これ、よかったらどうぞ」
「お構いなく」