「カズー! ねえカズどうしよう〜!」
「……ん…?」

 午前6時、週末でテストも小休止ということで、また夜行性の生活を始めた慧梨夏の叫び声で目覚める。いつもなら朝っぱらからこんなに大騒ぎをすることはないんだけど、どうした。
 ゆさゆさと揺り起こされて、目薬をひとつ。くっきりと、しゃきっとした視界で捉えたのは、慧梨夏が両の手を使って持ち上げるメガネ……のような物だけど。