「菜月先輩、おはようございます」
「おはようノサカ」
「今日の昼食はサンドイッチですか」
「さすがにこの時期は食堂で悠々とご飯を食べるのも難しいからな。ったくどいつもこいつも、テストだからって出てきてるんだな」
「その言葉、菜月先輩にもそのままお返しします」

 テストが近くなると一気に上がる人口密度。食堂も食事をする人だけならまだしも、勉強のために陣取る学生で常に埋め尽くされていて実に迷惑な話だ。
 人混みが嫌いな菜月先輩は、そういった人の波に揉まれながら食事をするくらいなら大好物の塩ラーメンを諦め、場所を選ばずに食べることの出来るパンを食べることにされたらしい。俺もそうしよう。