「野坂、アンタ何か隠してるでしょ」

 俺はそんなに分かりやすい顔をしていただろうか。果林からの尋問に、閉じた携帯の奥にあるその文言がフラッシュバック。俺が何を黙ってるって、初心者講習会前日という今日この日に届いた不穏なメールだ。
 議長と委員長の間で対策のあれこれに関する隠し事はなしだと言われてしまえば、出さなければならない。お前はただでさえ隠し事の出来ない顔なんだからと突きつけられた現実。