「確かに、時代は変わるものだし学年も上がって立場も変わったけど。毎年のイベントだと思って素直に帰ってきたアタシがバカでした、ええ」
「ホントにゴメン育ちゃん、この埋め合わせは」
「ワールドカップが終わってからでいいよ」
「スイマセン助かります」

 呼び出されたのは緑ヶ丘大学国際センター・MICのカフェテリア。周りには外国人の人がたくさんいて、日本語以外の言語がこれでもかと飛び交っている。
 差し出された紙袋は本来こないだ行われる予定だったミキサー飲みで手渡されるはずだった物。育ちゃんの旅土産。その日のイベント開催を信じて帰って来てくれていたみたいだけど。