「うーん」
「菜月先輩、どうされたのですか?」
「ああ、ノサカか。ちょっと、気になることがあって」

 避暑地として利用されているという図書館で、菜月先輩はスポーツ新聞片手にうーんうーんと悩ましげな表情を浮かべる。声をかけてみたのはいいんだけど、気になることとは何だろうか。

「サッカーがさ、よくわからないんだ」