パチパチと、キーボードを叩く音がする。プログラミング課題は佳境。もう一息で提出出来る物になる。

「ふう」

 オレと美奈が課題を追い込む中、隣で浮かぶ一段落の息。恐らく、この教室の中でも一番乗りだろう。石川は、化学実験と比較すればこれを得意とする男だ。この程度の課題であれば朝飯前だろう。
 石川が提出手続きを終えた頃、オレも課題を上げ、それに続くように美奈も終えた。課題を提出してしまえば教室から退出しても構わない講義だ。いつまでもこんなところにいる理由はない。