「俺が酔うの知ってて車に乗せたからには、よっぽどの事情なんだろうな」
「現地で盛り上がればお前ならビール飲みてえって絶対言うだろ。保険かけてやってる俺の気遣いじゃんか」
「ふーん」

 クソねみィ中、飯野に引きずられるままクソあちィ空の下に駆り出された。何の目的で俺を拉致ったのかと問えば、せっかく人が勉強しようとしてんだから水を差すなと。
 奴に最も縁遠い単語が出てきたことに対しては、この暑さで気が狂ったかとしか思えない。飯野が勉強? 世も末だ。とは言え、机に向かって勉強をするワケでもないらしい。