「はー、やっぱたまの銭湯はいいなー」
「それは否定しねえ」

 特に理由はないけど、やっぱりたまに大きなお風呂に入りたくなる。それがたまたま今日だった。ダメで元々、高ピーに声をかけてみると、意外にも二つ返事で乗ってきてくれた。
 濡れた髪を掻き上げ、高ピーはボディタオルで石鹸を泡立てている。浅浦と銭湯に来るのは珍しくないけど、高ピーのひとつひとつの仕草が何となく新鮮だ。