「あー、久々にミキサーに触れるー!」
「ゲンゴロー、嬉しそうだね」
「うん、ずっと頭の中でシミュレーションするしか出来なかったから。久々の実戦練習は嬉しいよね」
「やる気があるのは結構じゃないか。果林、よかったな」
「そうですね」

 夏合宿寸前、詰めの段階に入ってきた。早々に番組が形になっていたアタシたち4班だけど、変則的な番組編成だから練習に次ぐ練習。それはなっち先輩の精神がアタシたちに及ぼす影響でもあった。
 本番に1番近い環境の向島の機材。それを前にしてゲンゴローが目を輝かせている。なっち先輩もそのやる気には感心しているし、りっちゃんも教え甲斐がありそうだとにっこりしている。