「なあ高木、お前もうちょいしたらしばらく実家に帰るとか言ってたよな」
「言ったね」
「……これが実家に帰ろうっつー部屋の状況か?」

 足の踏み場もない床に散乱する服は、どれが着たものでどれが洗ってある物かの区別もつかない。寝て起きたままになっているブランケットもそのまま床でくたっとしている。
 部屋より問題は水回り。恐らく夏合宿前から積んであったと思われる食器に、コンロ脇に立つアルミのバベルはレプリカがいくつも作られるほど。傘立て代わりのバケツに突っ込まれたペットボトルも酷い。