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幼なじみ 4

−−お泊まり


陽菜side




優子が怖いDVDが嫌いなのは昔から。
DVDってか暗い所とか心霊スポットとかそうゆうの全部ちっちゃい時から怖がってたよね?
だから陽菜と麻里子は昔からこうやってわざと優子にこわーい体験をさせるの。
だって、ぶるぶる震える優ちゃんって、かわいいんだもん。




今日は陽菜のママとパパはラブラブ旅行中なの。陽菜も中学生になったんだから大丈夫でしょ?なんか会ったら優子の家行きなさいって。
寝れないよー!って半泣きの優子は今夜はうちに泊まっていくって。




『じゃあ晩ご飯はカレーにしよう!』
『え?昨日もカレーだったんだけど』
『ゆっぴーカレー好きだよね?』
『好きだよ!』
『決まり』




絶対自分が好きなだけ…
ほーら、優子が好きだから仕方ないみたいなどや顔で陽菜をみた変態お姉ちゃん。
まあなんでもいいけど。優ちゃん好きって言うし…



『麻里子作る係ねー。陽菜お風呂いれる〜』
『あ、あたしも作りたい!』
『おーゆっぴー♪一緒に作ろうね』


最近料理に目覚めたらしい優子。
えー、なにそれ陽菜つまんない。
なんで陽菜だけ1人でお風呂掃除?




『じゃあ陽菜も作る』
『陽菜包丁使えないでしょ?』
『……使える』
『うそ言わないの。無理してケガしたらどうするの?お風呂いれといで』



さっきまで変態お姉ちゃんだったのにこうゆうときは陽菜のことを考えてくれてしっかりお姉ちゃんになる麻里子。
やっぱり陽菜はなんだかんだ好きなんだけど。


『陽菜、お風呂ぴかぴかにしてよ』


うー、そんなえくぼを出して笑顔で言われたらなんも言えないじゃん。
陽菜はお風呂掃除を始めた。



なんか、なんか、今日は麻里子にゆうちゃんを取られてる。いつも陽菜が一緒だから麻里子は寂しいんだと思うけどゆうちゃんも寂しかったりするのかな。


陽菜はゆうちゃんに言われた通りぴっかぴかのぴっかぴかにお風呂を洗った。陽菜えらい!
ね?えらいでしょ?



『終わった〜』



疲れた…
普段しないことをやるもんじゃないな


『お疲れ!ぴかぴか?』
『すごいよ!ぴっかぴか〜!ゆうちゃん一緒にお風呂入ろ』
『え…』
『ん?』
『いや恥ずかしくない?』
『なにが?いつも入ってたじゃん』
『ゆっぴーわたしと一緒でもいいんだよ』
『まりちゃんか…』



え?なんで?
麻里子ならいいかなって言いそうな優子にむっとした



『陽菜と入ろっ』


ぎゅって後ろから抱きつく。
けっこう強い力で。


『あわっ!わかった!陽菜と入るから!』



ふふ。知ってるよ。優子は昔から陽菜のお願いに弱いの。ぎゅーして優ちゃんお願いって言うといつも優子は受け入れてくれた。


満足した陽菜はソファーに座ってテレビを見ることにした。




『……な。はーるな?』
『…ん、んー』
『ご飯だよー?カレー冷めちゃう』



ほっぺに違和感を感じてうっすら目を開けると優子がすぐそこにいて陽菜を覗き込んでいる。
どうやらこの違和感は優子の人差し指で、陽菜のほっぺをつんつんしていたらしい。



『眠たい?』
『んー起きたあ…』
『あは。すぐ寝ちゃう癖は中学生でも変わらないね』



だって眠たいときは寝ないと体に悪いの。
それにこうやって優子とか麻里子が起こしてくれるから陽菜は余計に安心して寝れる。




『いただきます!』
『…ん!』
『どお?おいしい?』
『ゆうちゃん。すごいおいしい』
『うわ〜よかった。まりちゃんおいしいって!』
『うちらの愛の結晶だね〜ゆっぴー』



でれでれしながら麻里子のいらないのろけ話が始まったから陽菜は完全にシャットアウト。
麻里子はほんとに優子が好き。
陽菜は妹って扱いで好きだけど優子に対しての好きはどういう意味なのかなって時々思う。


麻里子がまだうるさいから陽菜はさっさとごちそうさま。



『ゆうちゃんほんとにおいしかった〜ゆうちゃんの愛が伝わったよ』
『えっ!あ、愛!?まりちゃん、陽菜が愛を語ってるよ!』
『…陽菜も大人になったのか』


なにさ。陽菜が愛とか言ったらだめ?
ゆうちゃんを見たら、愛か…伝わっちゃったか…なんてぶつぶつ言っててちょっと可愛かった。



『お風呂〜』
『あたしまだ食べてない!』
『は〜や〜く』


ぽこぽこゆうちゃんを叩いたらいたたたたっ!!って大袈裟に言うから笑っちゃう



『仕方ないな〜可愛い妹。まりちゃんが一緒に…』
『ゆうちゃんはやく〜』



変態ロリコンお姉ちゃんが両手を広げてこっちを見てるけどそうゆうのいいから。


『え〜ん。ゆっぴーなぐさめて』
『まりちゃんよしよし』


むう。結局優子の気を引いちゃうんだからさ。そうやって。
やっぱり今日は麻里子に優子を取られてる。


『ふあー食べたあ。ごちそうさま!』



元気にごちそうさました優ちゃんを変態ロリコンお姉ちゃんから離したくてぐいぐい引っ張って陽菜はお風呂場に連れていった。

幼なじみ 3

−−あれから一週間


優子side




あたしは陸上部に入部しようとしてた。
してたってのは入るのをやめたってこと。


理由は、もちろん帰宅部の陽菜があたしと下校出来ないとわかった途端、明らかに不機嫌になったからだ。



ぷんぷんが収まらない陽菜にあたしは相当焦った。
ものすごいスピードで廊下を走って陸上の顧問の先生を捕まえて


『やっぱりやめます。ごめんなさい!』


そのあたしの走りを見てもったいないとしつこかったけど
『ゆうちゃん帰ろ』
って陽菜に腕をぐいぐいされたからあたしは先生に深く頭を下げてさっさと帰った。



『遅いぞー待ったじゃ…ん』



玄関で待ってたまりちゃんがちょーご機嫌な陽菜を見て固まった



『どしたの陽菜?にこにこだね?』
『ゆうちゃん部活入んないって』
『やめたのゆっぴー?もったいな〜』
『陽菜がすごい顔するから』



まりちゃんはだから陽菜がご機嫌なのねって納得した




『ゆうちゃん帰ったらDVD見よ。昨日怖いの借りたの。ねっ麻里子』
『そうそう。すんごい怖いらしい』
『えーあたし…帰るよ』
『だーめ。逃げないの。家帰ったら着替えてすぐ来てね』



見た目と違って怖い話が平気な美人姉妹に挟まれてあたしは終始笑顔を引きつらせて帰った。




『ゆっぴー見るよ〜』


一度自分の家に帰り制服からラフな部屋着に着替えたあたしはすぐに小嶋家にやってきた
なんせ歩いて5秒だし。




『やっぱ見るの?あたしお笑いのめっちゃうけるやつ持ってきたんだけど』
『え!それ陽菜に貸して〜』



怖いのを見たくないがために持ってきたあたしの秘策!お気に入りのお笑いDVDはなぜか見事に陽菜の手の中に。
あ、あれ…




『ほれゆっぴー毛布あげるから観念しなさい』



怖いのを見るとき必ずあたしは毛布にくるまって見る。
別にそれで怖さがなくなるわけはないけど、どーしても包まれてたいんだよね



『あーあ。寝れなくなる』
『な〜にゆっぴー。お姉ちゃんが抱きしめて寝てやるぞ!』
『麻里子きもい。はい、始まるよ』


き、きもいって…そんな
なんかまりちゃんがショックを受けてたけどDVDが始まるからスルー



(うわ、こっち系…)


怖いの全般むりだけどあたしが最も苦手なやつ。心霊写真とか映像とか。こんなん見てまじでなにが楽しいの?



『わっすごい。こわいね〜』
『うわっ!あんなん写ったらさすがにびっくりだなあ』


対して怖くなさそうにむしろ興味深々だから考えらんない
美人が怖い映像で感動って異様な光景だな



『ゆうちゃんこわい?』


毛布にがっつりくるまったあたしは指の間からそっと見る
その手をおもむろに握られて


『陽菜が繋いでてあげる』


首をかしげながら陽菜があたしの手を握ってきた



『じゃああたしは』

体育座りのあたしの後ろに座ったまりちゃんには足の間に挟まれてお腹に手が回された。



『ゆっぴー、こわくないよ〜!』


まりちゃんに抱きしめてられる態勢に


『あ、なんかありがとう』


とりあえず2人にお礼を言うけど、正直どきどきが収まらない。
まりちゃんは最近ぐっときれいになった。だから前に好きな人でもできた?と聞いたらちょっとびっくりして、そうだねって笑われた

陽菜もまだ幼さは残ってるけどあたしなんかより数倍綺麗だ
まりちゃんと同じ質問は、出来なかった。

そんな美人姉妹に抱きしめられて手を繋がれて
昔は当たり前だったけどさすがにあたし天罰食らわないかな…
ぼーっといまの状況を考えていたらまりちゃんの手が急に動き出した。


『ゆっぴーおっきくなったよね』
『そう?』



別に驚きもしないけどあたしの成長中の胸を触ってくるまりちゃん



『このままいったら童顔巨乳…』
『麻里子まじできもいっ!ゆうちゃん危ないから離れて!ロリコン疑惑あるんだから』
『なっ、ロリコンのなにが悪い!やっぱり幼いほうがかわいいでしょーが!』


あたしを挟んでぎゃーぎゃー言い合う姉妹
まりちゃんロリコン疑惑…
まじか、好きな人って小学低学年とか言わないよね?


『とにかくゆうちゃんはだめっ!』


あたしからまりちゃんをぐいぐい離して今度は陽菜に包み込まれた。
ふわりと陽菜の匂いがあたしの鼻を掠める。


『なんで!独り占めずるいぞ!』
『変態お姉ちゃんはどっか行って』


変態お姉ちゃんという言葉に大袈裟に落ち込むまりちゃんと満足げな陽菜



『あれDVD終わっちゃったよ?』
『あっ!もっかい見よ』
『え〜!?』


あたし帰りたい…

幼なじみ 2


−−入学式


優子side




『ねえ!まりちゃんを探せゲームしよー!』




今日は記念すべき日。
何の日かって?
あたし達がぐんっと成長して中学生になる日なんですよ。





『えーつまんない』
『へ?』




気だるそうな声ですっぱりとあたしのゲームを批判したこの子。




『だって、麻里子は背高いからすぐに見つかるよ』
『そうかな?えー。やってみようよ!』
『じゃーあ、いいよ。陽菜が見つけたらパンとジュースとシュークリームおごりね』
『お、多くない?』
『普通じゃない?』




いきなりわがままっぷりを発揮したこの子がお隣さんの小嶋さん。
そう。幼なじみってやつ。



顔良し、スタイル良し。背はあたしより10センチ以上高くて髪は綺麗なロングストレート。




『よし!入場した瞬間スタートね』
『ゆうちゃんのほうが早いんだからずるい』
『んーじゃあ席についたら?』
『キョロキョロするの恥ずかしくない?』
『じゃあいまやろ!』




まだ入場前だけど陽菜の手を引っ張ってまりちゃんを探せゲームを決行した。




『よーい、スタート!』
『…いた!』
『えっはや!!え!』
『ゆうちゃんの負け〜。わーいパンにジュースにシュークリーム〜』
『てかどこ?』
『見えない?おっきいのいるじゃん』
『見えない…』
『ゆうちゃんちっちゃいからだ!』



うけるーおちびーとか失礼なことを言いながらげらげらと笑う陽菜はシュークリームシュークリーム♪とずいぶんとご機嫌になってしまった。
パンにジュースにシュークリーム…
痛い出費だ…初日からこんな…




『はあ、つまんない』
『わーい!楽しいねゆうちゃん?』
『はいはい戻ろっか。並ばないとね』





結局あの後、ほんとにパンとジュースとシュークリームを買わされたあたしは全部を抱えて落とさないように階段を上がってるわけだけど。




『あら、むむむむ!パンツ、ピンク?』
『うあ!まりちゃん!』
『てことは、ブラもピンク?中学生がマセちゃって〜こらこら』
『まりちゃんも中学生でしょ』
『あたしは心は小学生さ?』
『ガキかっ!』



このちょっと変態おばかさんがさっきのまりちゃんを探せのターゲット。
まりちゃん


歳はあたしの一つ上で、これまた陽菜に負けずを取らない美人さんな訳よ。
陽菜よりもまだ長身で、無駄なお肉のないすらっとしたモデル体系なこの人は、もてもてなんだよね〜って自分で言っちゃうぐらいポジティブな人。
けど、心は誰より若い気がする。




『もってあげるよ。陽菜にやられたんでしょ?』
『知ってたの?』
『メールきたから。入学式中にだよ?ねえねえ麻里子〜ゆうちゃんにシュークリームおごってもらうの〜♪だって』
『うわっ。まじ?』
『さすがあたしの妹だわ』



そして、陽菜の姉でもあります。
小嶋麻里子はあたしのもう一人の幼なじみ。





『ゆうちゃんおそい。あれ麻里子』
『こーら妹ちゃん?入学式は真面目な式です。携帯電話はだめですよ?』
『だってひまだったの』
『まあ、寝ないだけましか』




え、そうなの?ってあたしの心の声は届かないまま。
とりあえず、マイペースな幼なじみ姉妹ってこと。




『はい、お姫様。どーぞ』
『わーい!ありがとうゆうちゃん大好き』
『こんなときだけ調子いいよね』
『陽菜のシュークリーム!』
『たんとお食べ』
『んーー、パンいらない』
『…はい?』




この子はほんとに…!
呆れた顔で陽菜を見るあたしをまりちゃんはげらげら笑いながら見ていた。

幼なじみ 1


−−幼なじみ


優子side




あたしの家から徒歩5秒
三角お屋根の一軒家がある
可愛らしい黄色のお家はお隣さん





お隣さんは小嶋さん
あたしの家は大島さん





名字が似ているお隣さん
名字が似ている幼なじみ



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