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隣の女神 2

ー憂鬱な朝





『.....あー』



目を開けると見慣れた天井
ベット下にずり落ちた布団




(懐かしいなあ)




いつだろう。小学かな
あの時は楽しかった
あの時は




『おはよー』
『あら、どうしたの優子』
『どうしたのって別に朝だし』
『朝だしって、夏休みなのに珍しいわねって事よ』
『ん、え?...あーーうん』



そんな事は分かっているけど
あんな夢を見てしまったから二度寝しようとしても出来なかった
でも、そうだった
昨日は、調子こいて夜更かしして映画を見ていた
なんとなく感じていた頭痛の原因はこれか




時計を見るとまだ6時




『えー、昨日寝たの2時だよ。早起き過ぎた』
『いいじゃない?たまには。ほら、二度寝しないで、散歩!いってきて!』
『うえーー』




懲りずにもう一度二度寝してみようと思い、ソファに寝転がった私だったけど、お母さんに犬の散歩を命じられる




(まだ寝たいのに...)




ぶつぶつと文句を言いながらも、散歩と言う言葉に目を輝かせて、尻尾が振り切れてしまいそうな程にぶんぶんと振りながら私の元に駆け寄ってきた愛犬のその可愛さに
私の顔はだらしなく緩むんだけど




(ゆうちゃん)




私はまた、今朝の夢を思い出す
あの柔らかい声で起きた朝は幸せだったけれど
やっぱりあれは夢で



『っつ、あたまいたいよー』



楽しそうな愛犬には申し訳ないけれど、寝不足すぎて鈍痛が


もう一度眠りに落ちたい
けど、正直もう眠れそうにないのは自分が一番分かっていた



ふと空を見上げた
暑い日差し
雲一つない真っ青な青空
風は吹いていない



また、今年もあの季節がやってきた

隣の女神 1

ー夏のある日



『きれいだねーゆうちゃん』



ふわっと優しい声がした
上を見上げても暗闇であまり顔が見えないけれど




『うん!きれい!』




私は笑顔で答えるんだ
とびっきりの笑顔で



いつも優しい顔で私を見守ってくれていた貴方は



いつの間にかその笑顔を私じゃない他の誰かに向ける様になったね



張り裂けそうな胸の痛みに気づかないフリをするのは思っていたよりも辛い



幼なじみ9

−−おやすみ


優子side




『納得いかないな』


お風呂から上がったまりちゃんはあたしと陽菜の間にぐいぐい入り込んで来たからあたしはよけた


『はっ、ちがうよゆっぴー。いまのは我が妹がよける場面であり』

と、言いながらあたしに引っ付いてきたんだけど、見かねた陽菜が


『はあ、いいよ麻里子。ゆうちゃんはどうせ陽菜と寝るし、いまくっついときな』


と捨て台詞を吐いた


それでさっきのまりちゃんの台詞なんだけど


『妹よ。お姉ちゃんがいない間になんでそんなこと決めちゃうの?』
『え〜だめ?』
『うん。お姉ちゃんはね?公平にジャンケンで決めようと思ってた』
『え〜もう決まったしだめ』
『……甘やかしすぎたな』
『なに?なんか言った?』



まりちゃんは眉間にしわを寄せてどっから間違ったんだろうか…なんて陽菜の育て方を振り返ってるし、陽菜は全く気にしてない様子でアイスを食べてるし。


あたしはとりあえずソファに戻ってみることにした。

まりちゃんがあたしの隣に座ってきて、
『今を楽しむことにしたよゆっぴー』
だって
やっぱりお姉ちゃんで大人で諦めが早いまりちゃんはいっぱい色んなこと我慢してるんだろうな
あたしとどっちが寝るか合戦なんて下らない戦いでしょげないでほしい。


『まりちゃんはほしいものある?』
『ゆっぴー!』
『あ〜別のにしよっか。』
『んーゆっぴー以外…最近アクセサリーにはまってる』
『アクセサリーね!』



今度あたしのお金がたまったら買ってあげよう。中学生だからそんなに高価なものはあげれないけどまりちゃんならすごく喜んでくれそうだから。


『今度また一緒にカレー作ってよ。なにもいらないからさ』



あたしの考えなんてお見通しなのかな。まりちゃんはやっぱり大人だった。優しい笑顔で見つめられたら陽菜とは違うけどだいすきだなーって思うんだよね。


ふと陽菜を見るとしゃこしゃこ歯を磨きながら雑誌を読んでる。ファッションに興味がある陽菜には今度かわいい服をプレゼントしたいな。オシャレさんだからあたしのセンスじゃ喜んでもらえないかも知れないけど。


『まりちゃんはさ、前に好きな人がいるって言ってたじゃん』
『言ったっけ?』
『言ったよ。クラスの人?』
『ん〜ちがう』
『じゃあ先輩?』
『ちがうな〜』
『後輩?』
『ん〜?』
『まさかさ…いや、小学生とか?』
『…はい?』


あたしの真剣な発言に歯磨きが終わった陽菜の爆笑した声が聞こえた。


『麻里子きも〜い!やっぱりロリコン決定』
『いやいやいや!なんで小学生?』
『だってまりちゃんロリコンだから』
『ちょっと待ってゆっぴー』
『ちがうよ!あたし引いたりしてないから!たださ、難しいじゃん。色んな問題あるからさ。頑張ろうね。』


頑張ろうねって言ったのはお互い頑張ろうねの意味を込めて。2人とも気づかないように密かなあたしの決意表明。


『あうあ…』
『大ダメージ〜』


また爆笑してる陽菜と落ち込んだ?まりちゃん


『わかっててほしいのはさ、あたしの好きな人はちょー鈍感でかわいい子ってこと。』
『そうなんだ。鈍感は大変だね。気持ちわかるな〜』


まりちゃんは苦笑いしてたけど壁が高いのはあたしも一緒だから。頑張ろうまりちゃん。


『はい。ゆうちゃん寝ますよ』


まだ笑ってる陽菜においでってされたからまりちゃんに
『おやすみ』ってハグ。
『おやすみゆっぴー』
少しだけ悲しい顔したのはなんでかな。恋は難しいねまりちゃん

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幼なじみ8



−−お風呂上がり


陽菜side




ゆうちゃんを追いかけたのにものすごい早さで服を着てひとりでいっちゃった。

ぽかーんってしてる陽菜に


『思春期、ですなー。今度わたしもお風呂一緒に入ろっと♪』



麻理子が言うの

思春期?
って陽菜にだってわかるけど?
んーでも、異性にどきどきするとかそーゆーんじゃないのかな

とか考えつつ陽菜も一生懸命体を拭いてゆうちゃんを追いかけようとしてるんだけど



『ゆっぴーそんなに近いと目悪くなる』
『あい…』


ちかっ!って突っ込みを入れたいぐらいの近さでテレビの前で正座している優子がいる



『ゆうちゃん?』



ぴくってしてそわそわして
もっとテレビに近づいちゃった


『だめだよ?離れなさーい』


優子の肩を持ってそっと離そうとしたらびっくりするぐらい赤い顔が見えた
陽菜はその顔にきゅんってなる


『ゆっぴーかわいい。かわいいかわいいかわいい!ウブなゆっぴー最高!』
『うわああ、まりちゃんいたい…』
『痛いって、変態』
『変態ばんざい!』


変態ロリコンにはほんと呆れる
でもときどきその素直さが羨ましくなるんだよね
姉妹なのにどうしてこんなに性格違うのかなって



『ゆうちゃん、ソファでテレビ見て?』
『うん、うん』


ゆうちゃんも素直だよね。
でもこの2人が素直だから陽菜はこのままでいられるんだけど。大人しくソファに座った優子はまだ赤い顔で拳を握ってる


ちなみに麻里子もくっつき虫で優子の隣に座った


『はい。のぼせちゃったかな〜。飲んで』
『あ、ありがとう』


さすがに心配だから氷をいれたジュースを出したらちびっとだけ飲んでコップを置いた

ほんとはその仕草がかわいくて仕方なかったんだけどこうゆうときだけ考えることが同じなお姉ちゃんが目をきらきらさせながら、またぎゅうぎゅうするから陽菜はできなかった。



(はあ、じゃまだな〜)



『麻里子お風呂』
『ん〜?まだいいかな』
『ぬるくなるよ』
『ん〜?あとそうだな…30分』
『ばかでしょ』


30分間優子にぎゅうぎゅうしてるのかと思ったらさすがに本音が出ちゃった


『じゃあ5分だけ』


ぎゅうぎゅうが強くなって優子がいたいとぼやいてるけど5分だけ待ってあげる
仕方ないから
陽菜って優しい
5分経ったら強制的に、はいお風呂っ


『ごゆっくり』


にこって笑ってお見送り


さあ、どうする?
ソファにまだ真っ赤なゆうちゃんがいるの。
とりあえず隣に座って陽菜はゆうちゃんが飲んでたジュースを飲む。



『ゆーちゃん』
『ん?』
『麻里子、追っ払ったから』
『うん…』
『くらくらしたりしない?』
『だいじょぶ』
『ゆうちゃんは…んー思春期?』
『う…えっはい!?』



びっくりしたのか、おっきいお目目が更に大きくなって陽菜を見る



『思春期っていやあの、別にその、陽菜の体で興奮したとか、おっぱいとか考えてないし、あのちがくて、うわあ!忘れて!いまのなし忘れて!』


興奮とか言われてちょっとびっくりなんですけど
必死に忘れて!って言うゆうちゃんが普段とギャップがありすぎるから面白くて仕方ない


『…あ、あたしやっぱ帰ろうかな』
『怖いの見たんだからゆうちゃん1人で寝れないでしょ?』


ほんとに帰る気なのか立ち上がるから陽菜は今度こそ逃がさない


『だーめ。今日はお泊まりって決めたでしょ?』


ぐって引っ張ったらソファにぽふん


『…...なんで泣く?』
『ご、めわかんない…』
『陽菜わるい?』
『ちがっくて。ううっ引いた?』
『なにが?』
『あたしさ変じゃん。』
『ゆうちゃんは昔から変な子だった』
『うっ。いやそうだけどさ…さすがにさ、きもいじゃん』
『なにがかわかんない』
『だっから…いやいいや』
『よくないよ』
『とにかくきもいんだよ。おかしいの』
『はるな何も言ってない。』


久しぶりに見たゆうちゃんの泣き顔。
最後に見たのは小4で犬に噛まれちゃって腕から血が出ちゃったとき。
陽菜をかばってケガしたとき



『気持ち悪いなんて思ってない。どこが気持ち悪いかわかんない』
『っ、うっ』
『麻里子心配するから泣き止んで』
『う、ん』
『あの変態またゆうちゃんにくっついて泣き顔もかわいいとか言い出すからぜったい』
『あはっうん』
『ゆうちゃんは泣き顔ほんとにかわいいからだめー。麻里子次は5分で離してくれないかも』
『……あい』



少し落ち着いた優子の頭を陽菜は撫でてあげる。陽菜が泣きやまなかったら背伸びして一生懸命、頭を撫でてくれたよね。優子のその手は陽菜が泣き止む魔法の手だったの。
陽菜もいま魔法の手になれてるかな


『ありがとう』


目がまだ赤いゆうちゃんに優しく微笑まれてどきっとした。
ゆうちゃんっていつからこんな大人になったんだろ…


『ねえ、今日陽菜と寝るよね』
『え?あーあー、』
『わがまま言っていい?陽菜と寝て』
『う、ん。わかった』
『よし。あ〜髪の毛乾かすよゆうちゃん。風邪ひいちゃう』
『はーい!』


今度は屈託のない笑顔を向けられて陽菜はまたきゅんとしちゃうの


これって陽菜も、思春期なのかなあ?

幼なじみ7

−−心臓の音が聞こえる


優子side




陽菜に誘われたお風呂のせいであたしの心臓はそりゃあもうばっくんばっくん



服を脱いだ時点で見えてきた素晴らしいバディに白旗をあげて逃げようかと思ったけど、こんなチャンスないかも…と思春期の男子が考えるような思考回路に結局あたしは負けるんだ



陽菜を見れないあたしとは逆にじっと見られるからどうすればいいかわからない
陽菜にとってはただの幼なじみでもあたしからしたら想い人なんだよ


しかも二年ぶりだしね。



『目つぶって』
『え?目?』


言いながらも思い出していた
思い出した頃にはあたしは真上からかけられたシャワーでべしょべしょだったけど。


『そうだった!』


と爆笑したあたしはこれのおかげで緊張がほぐれたんだ。昔から陽菜にはシャワーをお構いなしに頭からかける癖があってあたしはいつもそれが楽しくてげらげら笑ってたんだよね。



陽菜にもこの面白さをわかってほしくて同じことをしたら
『はるなはいや。』
って不機嫌になっちゃったから反省してそれからはやってない。
自分がいやなことやるってどーよ。
今考えてみたら変な話だけどあたしは楽しいからいっか!って思っちゃうんだな




湯船につかると体を洗っている陽菜にどうしても目がいってしまう。
中肉中背、真っ白な肌、綺麗な髪の毛、…ふくよかな胸



釘付けになっていたら陽菜と目が合って慌てすぎたあたしはすぐにそらした。



『大人になったね…』



つい本心が声に出てしまった
すると陽菜はゆうちゃんだってと言うから全否定!
あたしなんかガキすぎるよ!
悲しい事にどこもかしこも大人じゃないやい



『おっぱい、...おっきい』
『陽菜だって!お、おっぱいおっきい!』


おっぱいをどもってしまったことと陽菜からそんな台詞が出た事で恥ずかしすぎて顔を隠した



(う〜ああ、やばいよ)




陽菜が湯船に入ってきたのはわかったけど直視する勇気は出なくてとりあえず目をうろちょろさせて気を紛らわせた



『やっぱり、おっきい』



いきなり触られた胸
冷静に自分の胸と比較なんてされてあたしはもうなにも言えない…



『ゆうちゃん?おーい』
『あ、あたしも』
『うん?』
『あたしも、触っていい?』
『え??…別にいいよ?』



きっと顔は真っ赤だろうけどこのチャンスは逃したくない。

陽菜と目が合ったら陽菜もちょっと目が泳いだ気がする。


なんか、いけないことしてるような…
中学生の女子が胸を触り合うなんてよくあるし、最近あたしは大きくなったからみんなに触られてたし




(でもこの状況なんか…)




本当にいいのかなってまだ迷いはあってもやっぱり欲求には勝てなくて
そっと陽菜の胸に手を伸ばす



きれいで柔らかそうだ
うわあ、もうちょっと...



(ガチャッ)




『おーいのぼせてない?』
『う、わああー!!』



まさかのまりちゃん登場にあたしは驚きすぎて腰を抜かした。
ではなくて逆に立ち上がってしまった。



陽菜はすごくびっくりした顔であたしを見ていて、自分がしようとしていたことに急に恥ずかしさがこみ上げてくる。
なんだか言いながらお風呂から飛び出た



何を言ったから全く覚えていない。



まりちゃんがいい体になったね〜なんて言ってきたけど今は何でもいい。



体をすごいスピードで拭いて、あたしは居間に戻った。


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