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【SSS】散る星の残像

「朝霞、来たぞ」
「どうぞ。片付いてませんけど」
「いや、たまには外で飲むか? なあ」

 部屋にやってきた先輩を迎え入れようとすると、逆に外に出ないかと誘われる。たまには飯でもという連絡が来たのは今朝のことだ。今日はバイトも入れてなかったし、部活は……まあ、謹慎中だし。ファンフェスの打ち合わせも、定例会もない。
 羽織りの下はタンクトップ。厚い胸板に、太い腕。筋骨隆々と言うのが正しいだろうか。背は俺とそう変わらないのに、体の質が全然違うと言うか。このいかにもな体育会系風の人が、越谷雄平さん。俺の前に流刑地と呼ばれる場所の班長だった人だ。
 越谷さんの提案で、今日はいつもとは違う店へと行くことにした。いつもは山口がバイトをしている“玄”という店で、顔パスじゃないけど、山口割みたいな物を利かせてもらっている。ただ、越谷さんの昨日の夕飯が玄だったらしい。飲まずに飯だけとかも全然アリな店だ。


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