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【SSS】リベンジのカウントダウン

 MBCC昼放送は、昼休みの12時20分から50分までの30分間、第1学食の事務所から生放送している。普段食堂には有線放送がかかってるんだけど、事務所にある放送機材を借りて番組をやらせてもらっているんだ。ただ、サークル室にあるような本格的な物ではないけれど。
 生放送だからこその混雑情報や売れ筋メニューを紹介したり、フェア情報を先取りして流したりと学食の営業を補佐する役割も少々。緑大の学食は場所もメニューも選び放題だけど、俺はこの第1学食がいろいろな理由が重なってとても好きだ。
 まず、定食メニューがあること。第2学食はオシャレだし美味しいけど、定食メニューはない。無性に定食が食べたいときに重宝している。それから、あと少し何かおかずを食べたいときの小鉢なんかもいい。70円弱の値段でもう一品が来るのは嬉しい。


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【SSS】希望を繋ぐプレゼンテーション

「対策委員です」

 先週の会議で講師候補の先輩を絞り、講習会の講師をお願いするべく動き出した。講師候補はアナウンサーが高崎先輩とヒビキ先輩、ミキサーが伊東先輩。この3人の先輩方には各大学の対策委員から講習会の概要を伝え、講師をお願い出来ないか交渉してもらっている。ここまでが今日までのあらすじ。

「野坂、カズ先輩は講師了解ってー」
「マジか! ありがとうございます!」
「そんで、対策委員のミキサー3人と話詰めたいからそういう日を設けてくれって」
「いくらでも設けます! ゴティありがとう! つばめ、俺たちの日程を出そう」
「はいはーい」
「そうだ野坂、ヒビキ先輩もオッケーって。議長委員長と打ち合わせしたいって」
「了解です。果林、日程よろしく」
「ですよねー」


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【SSS】Are you forgetting something?

「やあやあみんな、今週の土曜日は何の日かわかるかなー?」

 こんな風に、三井があからさまに何かをアピールし始めると要注意だ。何の日か知っているうちは完全にスルーをキメるけど、ピンと来ない1・2年生はお前は何を言ってるんだという目をして三井を見る。頼むから誰も正解を出すなよ、後が面倒になる。と言うか、触れずにいてくれるのが模範解答なんだけど。

「野坂〜、土曜日は何の日かな?」
「昼放送の収録以外にそれと言った予定はありませんね」
「そうじゃなくてさ〜、ほら、大切な日だよ」
「昼放送の収録以外に何が大切なのかちょっとわかりませんし興味もありませんね」

 よし、いいぞノサカ! 本当に昼放送の収録をそこまで大切に思ってくれているのならそろそろ遅刻せずに来て欲しいものだけど、今日の答え方、三井のあしらい方としてはいいぞ! 次回の遅刻は30分くらいまでなら実質ゼロ分にカウントしてやらないこともないぞ。


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【SSS】不本意では終われない

 ファンフェスが終わって1週間、しばらくバタバタしていたミーティングルームも本来の落ち着きを取り戻していた。それまではどこの班とか関係なくバタバタ走り回っていたんだ、それこそ普段なら余裕を持って行動出来ている班ですらも。
 これでしばらくはゆっくりと活動が出来る、そんな風に俺がホッとしていたのも束の間だった。俺と響人は個別に部室に呼び出され、監査の宇部からお叱りを受けた。その内容はファンフェスのステージのこと。いくら何でも完成度が低すぎではないか、と。
 反論はしようと思えばいくらでも出来る。そんなモンお前、日高が急にステージをやるとか言うからこっちだって準備出来なかったんだーとか何とか。だけど、俺がそれを言うことはなかった。何故なら、宇部が先回りしてこちらの事情まで酌んだ上でのお叱りだったからだ。
 響人が遅筆であること、班に台本を書ける人間がほぼいないこと、そもそもステージの話が降って湧いたのが3週間前であったことなどを加味してももう少し何とか出来たのではないか、と。俺はそれに「もしまたこんなことになったらある物を使って時短出来るようにする」と返事をした。


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【SSS】薄氷シフォン

「ん〜! さとかーさんのケーキ最高!」
「さとかーさんおいしいでーす」
「おかーさんて言わないの!」

 植物園ステージまではあと2週間。それに向けた準備は着々と進めていて、佳境とも言える段階に入ってきた。平日も休みも関係なく大学に出てきて準備をしてて、何とか進捗遅れを出さない程度にまでは作業が追いついてるっていう感じ。ここからはスケジュール管理ももっと厳しくしたい。
 そんな中、束の間の休息じゃないけど、準備の時間を割いてでもやりたいと計画されていた会がある。それは沙都子の誕生会。こんなバタバタした時期だけど、誕生日は誕生日だからお祝いはしたいねと全会一致で開催が決まり、それに向けてステージの準備を突き進めていたと言っても過言ではない。
 簡単に飾り付けられた机には沙都子お手製のシフォンケーキが人数分に切り分けられ、紅茶やジュースで乾杯をした。4月にやった紗希先輩の誕生会ではお店のケーキだったし、沙都子の手作りを初めて食べる1年生たちが感激してる。気持ちはわかる。沙都子は裁縫だけじゃなくて料理も上手だから。


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