「はー、よいしょ!」

 ずしーんと音が聞こえそうなほどに大袈裟な素振りを見せる我が彼女サマが落としたその束は、このご時世ではダイレクトメール以外になかなか見ることのない年賀はがき。
 まさか、元日に届けるには25日までの投函をとしきりに呼びかける中で、今からこの量を書こうと言うのか。いや、パソコンがあるなら出来なくもないだろうけど手書きだと大変だぞ。

「お前、年賀状とか書くのな」
「今はいろんなサービスがあるから書くと言うか作る人も増えてると思うよ。まあ、うちはちゃんと描くけど。カズが24日と25日の趣味活動させてくれないからー」