春休みも終盤に近付いてくると、サークル棟にも人が続々と戻ってくる。どこもやってんなーと思う。ま、MBCCにしたってこの時期は新歓の準備だ何だって忙しくはなってんだけど。

「しかし軽音はうっせーな!」
「扉閉めないなら防音室MBCCにくれてもいいんじゃないかなー」
「ま、優先順位は部活のが高いだろうから次は演劇部だろうな」

 サークル棟の防音室を占領している軽音部の演奏がけたたましく響く建物の中。防音室なのに扉を閉めないとかいう無意味な行動には理解を示せるはずもない。
 こんな状況では落ち着いて作業も出来やしない、と匙を投げる。高木は小腹が空いたと言うし、ちょうど俺も何かつまみたい気分になったから食堂にでも行くかと部屋を後にした。