「ん」
「えっ」

 目の前に突きつけられる紙の箱。いつも見るのと色は違うけどそれは俺がよく行くベーグル屋さんの物。だけど朝霞クンは「ん」という以上に何も言ってくれないから、それをどうすればいいのかわからない。

「だから、ん」

 とりあえずその箱を両手で受け取ると、持ち手からパッと手が離される。もしかして、これは俺にくれるとかそんなようなコト、だったのかなあ。まだまだ朝霞クンの真意はわからない。