「すみませんお母さま、お世話になります」
「どうぞどうぞ! さ、上がって! フミー、こーた君来たわよー」
「あっ、こちら、2日間お世話になりますのでよろしければ」
「あら、そんないいのに。ありがとう」

 寝起きでまだ頭がぼーっとする。ペタペタと階段を下りれば玄関先で母さんとこーたがきゃいきゃいとお喋りをしているではないか。こーたは親世代の人とは仲良くなるのが早いと言っていたけど、うちの母さんにも謎に気に入られてるんだよなあ。
 今日こーたがうちに来たのは、例によって弟カップル絡みでこーた以外の家族が旅行に出てしまったからだ。1人でも過ごせるけど、元々遊ぶ予定が入っていたのだから食事も一緒に、などとあれよあれよと話が進んだのだ。