「バレンタインは勝負に出ます!」

 いつになく強気ね、とベティさんが目を丸くしている。立ち上がり、こう宣言するのは伏見あずさ。彼女とはこの店で知り合った。ベティさん……それから、大石君とは幼なじみ。共通の友人がいるということで、距離が縮まっていた。
 バレンタインが近付いている。確かに、好きな人がいるのなら勝負に出るにはいい日なのかもしれない。そうすると、私はどうしようというところにたどり着く。今年のバレンタインは火曜日らしい。

「イブは散々だったものね」
「あずさ……イブは、デートを?」