「高木ー、ちょっと頼みがあるんだっていう」
「あっ、俺もエイジに頼みたいことがあったんだ」

 いつものように俺の部屋でご飯を食べようとしていたときのこと。唐突にエイジが話を切り出してくる。頼みごとという単語に、俺もダメ元で頼んでみたいことがあったのを思い出す。

「それで、エイジの頼みって?」
「それな。テスト期間中はここに住まわしてくんねーか。いつ寒波が来て家から出れなくなるかって考えたら保険をかけときたいっつーか」