丸の池ステージまでもうあまり日がない。今日は、大学の野外公会堂を借りて行われるリハーサル。大道具も搬入して、本番に近い環境で行われる練習だ。機材の上にはテントも張っていて、結構大掛かり。

「スガー! 準備できたぞー!」
「ああ。後はうちの班の番がくるまで段取りの確認とかを頼む。暑いし、出来るだけ影を見つけて休んでてくれ。俺は班長の仕事があるから後で合流する」
「了解〜!」

 ステージの脇の方では、個別に張ったと思われるテントの下で部長が悠々とキャンピングチェアーに腰掛けていた。わざわざ電ドラで電源まで引っ張ってきて、扇風機が回っている。
 部長とは言え、いい身分だ。扇風機は部長よりも機材を冷やすために使うべきじゃないかと思ったりもする。星港市の予想最高気温は36度。影もないここでは体感温度はもっと上がるだろう。