「よっこいせ、っと。はー、さすがにこの量を一気に運ぶのは無謀だったねえ」

 腰に巻いたパーカーと、赤のエクステを刺した大きなポニーテールが揺れる。魚里だ。大量の資材を運搬しているようだ。気温はいくらか過ごしやすくなってきたが、汗が滲むのか、額を手の甲で拭っている。
 先日、宇部から大学祭でやるステージのタイムテーブルが発表された。それが発表されるといよいよ準備が本格化してくる。まずはプロデューサーが台本を書いて、班ごとに練習をし、通しリハがあったりして完成に近付けていく。