「えっ、圭斗さん彼女が出来てていつの間にか別れてたの!?」
「ええ、価値観の違いというヤツでしょうか」

 ムラマリさんと圭斗とうちの4人でファミレスでの食事会。うちは、いつしか薬指がお留守になっていた圭斗の話を聞きながら、ただただ目の前のカルボナーラをうまうますることだけに集中していた。
 圭斗は9月下旬くらいに彼女が出来ていたそうだ。その彼女がどういう子なのかはあまりよく知らない。でも、野球が好きで、それもかなり熱狂的すぎるタイプの子であるということは聞いた。
 スポーツに関心がない圭斗は、野球にしたって今あるプロ野球の12球団の名前と本拠地のあるエリアを全部言えない。サッカーだってやるのも見るのも管轄外だし、オリンピックなんかも他人事だ。