「坂戸さん、これ、どうしましょう」
「いや待て所沢、そんな物を俺に向けるな」

 先日、ミーティングルームがちょうどみんな出払っていた時を見計らって須賀班のブースから適当な物を盗って来ました。水色の巾着袋です。財布やスマートフォンのような貴重品であるとは考えにくかったのでちょうどいいなと思い。
 退屈している部長を楽しませるためのショー、その小道具を用意したまでは良かったんです。あとはこれを朝霞班のブースに放り込んで、盗みが起こったと騒ぎ立てれば。でも、魔が差したんですね。人のことには基本興味はないですが、中身を見ようと。