「みんな聞いて! 大ニュースだよ!」

 そう言って、呼んでもないその人はアタシたちが会議をしているその場所に駆け込んできた。しまったな、今回会議の場所変えればよかった。何がどう大ニュースなのか、全員その人に目をやる。嫌な予感しかしないなという目で。
 最近、向島の三井先輩という人が対策委員の会議に乱入してきていて困っていた。何でも、会議に向かう野坂の後を尾行して来ていたとかで。前回の会議では、急に何を言い出すのかと思いきや自分の理想を語り始めて。最近の温いインターフェイスではいけない、これからはまたプロを目指していかないと、と。
 ぶっちゃけアタシたちはそんなスタンスではないし、あの人の演説を聞いている暇もないからスルーしてたよね。自分たちのやることだけに目を向けて。だけど、あの人はアタシたちを無視して1人で話を進め、納得し、対策委員は自分が監督してあげないとね! ……と前回は帰って行った。