「越谷さん! 飲みましょう!」

 朝霞が酒瓶を抱えてうちに殴り込んで来た。互いの部屋を行き来すること自体は別にさほど珍しくないし、多分今回もその一環だろう。ただ、今の時刻はちょうど0時を跨いだ頃で、飲みましょうと言っている朝霞本人には既にある程度酒が入っているようだった。恐らくはここが2軒目。

「どうしたんだ朝霞、急に」
「班で飲んでたんですよ。山口の野郎が誕生日を祝えってウルサいし、源の歓迎会もやろうってことでさっきまで玄でやってて。大体、お前の誕生日がどーしたってんだ。俺が知るかっつーの」
「まあまあ朝霞。そんなことを言いつつも、何だかんだやってやったんだろ?」
「断っ……じて! アイツのためではなくて、班の決起集会です」