「汁粉と善哉の違い?」
「そう。何がどう違えばおしることぜんざいっていう名前になるのかって気になったことない?」

 伊東の家から鏡開きでもらった餅を焼きながら、もう一方のコンロでは小豆を煮ている。それを眺めながら、ぽつりと宮林サンが呟いた疑問が、その事柄だ。

「つぶ餡かこし餡かみたいなことじゃないのか?」
「浅浦クンもちゃんと調べたことはないのか〜」
「時々、身に馴染んで当たり前になってることでも不思議に思うアンタの好奇心を尊敬する」