放送部はファンタジックフェスタのステージに向けてバタバタしている。それは他人事として、俺は自分の番組と向き合うだけの仕事を。主のいない朝霞班のブースで、つばちゃんと一緒に。
「洋平、外出ない? ここ、外がうっさくて集中出来ない」
「学食行く?」
「寿さし屋行こうよ、アタシ牛乳寒天食べたいんだって洋平センパイ」
「夏の新デザートだね〜、って。わかったよ、今日だけ。内緒ね」
星ヶ丘大学の中には、向島エリアを中心に微妙に広域のブロックに展開されているチェーン店の“寿さし屋”が入っている。ラーメンや甘味なんかが安く食べれて美味しいんだよね〜。
ステージに出るわけでもない自分たちがブースにいてもしょうがないと、つばちゃんを引き連れ寿さし屋へ。荒れる班員の憂さを晴らさせてあげるのも、班長代行の立派なお仕事でしょでしょ。