買い物を終え、息抜きに何気なく入ったコーヒーショップの喫煙席。連れがいないと席を躊躇する必要が少なくなるのが気楽だと思う。高崎やリンならともかくとして。
 充電出来る席を確保して、スマホのバッテリーを接続する段取りを。傍らにはソイラテとチョコレートケーキ。本の準備も万全だ。ある程度長居をする準備は整う。

「石川」

 名前を呼ばれて顔を上げると、星大にゴロゴロいるただの眼鏡とは違うインパクト。軽い質感の髪を茶色く染めた色付き眼鏡、それとデニムジャケット。

「えーと、岡崎」
「久し振り。隣、いい?」