こんばんは。

雨野さんは帰ってしまわれました(´・ω・`)
さて、デートのことを。


いつもと変わらない帰り道、いつもと変わらない街並、なにもかもがいつも通り。ただ違うのは私自身。家が近くなるにつれて徐々に早くなる足、煩くなる心音、緩まる口元。頭を占めるのはただ一人のこと、愛おしい恋人。
カンカンと特有の音を立てながら一段ずつ確実に近付く距離、鍵を差し込みガチャリと解鍵された音、ゆっくりドアノブを回している手が少しだけ震えていた。普段ではありえないリビングから溢れた光、玄関にある大きい靴、それだけで心が躍る。ああ、居るんだと嬉しくなる。
靴を脱ぎ片付けることすら勿体無いと思いながらも片付けて、寝室に鞄を放り込む。
リビングの扉を開けばこたつに入りながら両手を広げ笑顔を浮かべておかえりの言葉をくれる雨野さん。私のただいまという言葉は埋めた首筋から微かに聞こえる程度のもの。片方の腕は背中に回り、もう片方の腕は頭を撫でてくれてゆらゆら宥めるかのように落ち着かせるかのように揺れている大きな体に全部を預けて抱き着く。ポンポンと頭を触られ体を少し離して顔を見れば自然と近付く顔、チュッと軽くリップ音を鳴らしてキスをすればそれだけで満足。おでこ同士をくっつけて鼻先を合わせて微笑めばほらこんなにも幸せ。もう一度だけおかえりとただいまとキス。

夕食は私の希望通り自宅で。調理中流石に包丁を持っている時に抱きつかれるのは危ないのでダメだといえばとぼとぼとこたつへ戻る雨野さんを尻目にまた調理をしだす。
適当にぱぱっと作って食べてもらって、一緒にお風呂に入ってもぞもぞベッドの中へ。すぐには寝れず、何時に出たのだとか何時に着いたのだとか帰ってくるまで何をしてたのだとかお互いの些細なことを共有し合うとっても大切な時間。でも翌日は待ちに待ったデート。早く寝なきゃね、ってことで抱き付いて抱き締めてもらって、足を絡めて、顔中にキスをして、最後に唇に落としてもらって、微笑みあって、おやすみなさい。



長くなるのでいったん切ります。