「朝霞サン出来たよ。はい提出用の完パケ」
「よし。戸田、帰っていいぞ。長く拘束してすまない。お疲れさん」
「はーい、お疲れでしたー」
定例会に提出するラジドラは、ついに俺の手元に完成品が来た。それを俺に渡して、る〜び〜る〜び〜と浮かれた様子で帰って行った戸田を後目に、何日か無我夢中で動いていた俺は俺は動くことも出来ないでいた。
狭い朝霞班ブースの壁にもたれて、大きく息をつく。体の中から何かが出ていったような感覚。足の裏はべたっと床に張り付いている。瞼は今にも降りきってしまいそうだ。頭も重いし少し仮眠を取るか。そうしよう。宇部なら帰りに俺の存在に気付くだろう。