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【SSS】遠き夢と迎えた現実

「えーっ! 別れたんだ!?」
「そうなんだよ。せっかく紹介してくれたのに申し訳ないけれど」

 バイトの休憩時間中、僕は然るべきところに近況を報告していた。ちなみに僕はドラッグストアでアルバイトをしている。レジ打ちや商品の補充などの仕事が主かな。まあ、レジが多いかもしれないね。
 それはそうと、報告しなければならない近況というヤツだね。少し付き合った彼女と別れてしまったということだ。何故かというと、その彼女を紹介してくれたのが大きな声で驚くこの子、須賀星羅さんだからだ。


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【SSS】仕様変更の許可を下さい

「で、曲はどれを使うんだ?」
「ストックの中から適当に選ぶつもりやったから、今から考えるよ」
「お前なあ。番組やるなら曲は事前に決めとけ。調べることは地味に多いんだぞ」

 サークルが代替わりしてからも、ヒロの謎の覚醒は続いていた。一番やる気があった時よりも熱こそ落ち着いているようだけど、それでも番組に対するモチベーションはそれなりに高い状態を維持している。
 アナウンス部長という役職に就いたことである程度の自覚が生まれたのだろうか。いや、ヒロだからきっとそんなこととは関係なくこれまでやって来た練習の延長なんだろうけど、練習をするのはいいことだと機材管理担当は言う。俺な。


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【SSS】戦士のステータス

「ん、んーっ……はああーっ……」
「朝霞クン、いい感じ?」
「うめえー……本当に美味い」

 頬を触って、ロールキャベツと白菜と豚肉のミルフィーユ鍋(メニューの雰囲気が似てるのはご愛嬌)に舌鼓を打つ朝霞クンと言ったら、それこそ美味しくてほっぺたが落ちちゃうよ、というリアクションなのが分かりやすくていい。
 今日は農学部のオープンファームに参戦してきた。農学部で育ててる野菜や畜産物などをお手頃価格で買える機会ということで、そこはまさに戦場。収穫祭とかいうほのぼのした雰囲気じゃなかったよね。
 俺は米と豚肉担当で、朝霞クンがキャベツと白菜に向かってダッシュするという役割分担。もちろん他の物もゲットできればなお良しだけど、優先したのはそれ。結果から言えば生きて帰ったし成果もバッチリ。


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【SSS】道を決める過程で

「わ、通ってる」
「はー、出してみるモンだな、受かった」
「2人とも、良かったですね」

 11月に入ると、社会学部では1年生が来年から所属するゼミが発表される。普段は入ることがない社会学部棟。入ってすぐのところに掲示されている張り紙には、どこのゼミに誰が、と受験発表のときのように番号で記されている。
 俺は実苑くんと、そのバイト先の友達らしい鵠沼くんと一緒にその掲示を見に来た。白いジャージを着てガタイもいい鵠沼くんは、一見体育学部のようだけどれっきとした社会学部の学生だ。ジャージはバスケサークルだから、とのこと。


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【SSS】簡単レシピで逃げ道知らず

「菜月、そろそろ何か食べるか」
「えっ、もうそんな時間?」

 時計を見れば夜の8時。今日は真希の家に遊びに来ていて、真希の好きなバンドのライブDVDやらミュージックビデオやらを延々と見るだけの遊びをしていた。好きなバンドって言っても一組じゃなくて、それこそいろいろ。
 ちょこちょこお菓子をつまみながらだったから、特にお腹が空いたなあと思うこともなく、気付けばこんな時間になっていたという感じ。家に帰るモードでもなく、そのままここでご飯を食べていくことにした。


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