「あ、ゴメン。待った?」
「いや、今来たところじゃんな」
「ふーっ、緊張する」
「そうだな。それじゃあ見に行くか」
掲示板の前で鵠沼くんと待ち合わせ。4限も終わって、これから行くのは5号館、またの名を社会学部棟だ。今日は2年から所属することになるゼミの発表日。大学の合格発表みたいな形で学部棟のロビーにゼミ名に対する学籍番号が掲示されるらしい。
「隆志くんに康平くんではありませんか、お揃いで」
「あ、実苑くん」
「お前もゼミ発表か?」
「僕はもうお昼休みに確認しました。無事に羽椛ゼミに合格していましたよ」
「落ちることはまずないって言ってなかったか?」
「はい。落ちることはまずないですが、確認はしないといけません。せっかくですから僕も2人について行っていいですか?」
「まあ、別にいいけど」
「うん。いいんじゃない?」