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【SSS】僕の闇は光より光る

 ピンポンとインターホンが鳴って、モニターを見る。合鍵を渡してるのにご丁寧に毎回俺の返事を待つ姿がとてもカワイイと思うけど、合鍵を渡してるんだからたまには勝手に上がってきてくれればいいのにと思う。

「いらっしゃい」
「宏樹さんこんにちは。食材が少なくなって来てたんでお買物して来ましたよ」
「ありがとう」

 青敬の学部移転に伴って移り住んだ新しいマンションは、入居から2ヶ月弱ほどかな。大分俺の生活感も出てきたなと思う。前の狭くて少し暗いアパートも良かったけど、今の明るいマンションもそれはそれで悪くない。
 さとちゃんと付き合い始めてからは大体1ヶ月。元々がさとちゃんの勉強の被験者だと思ってたし、これ以上さとちゃんに甘え過ぎるワケにもいかないなと思って黙って引っ越したんだけど、何か偶然また引き合っちゃって。
 また偶然出会えたら。そんな都合のいいオカルトに仕立て上げたのは自分だから、きっちりと責任を取ることにした。それを抜きにしてもさとちゃんのいない生活がこんなに味気ないんだって、行方をくらませてた間に思い知らされたんだけどさ。


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【SSS】新居の間取りはどうしよう

「よぉーし! これでオッケー!」
「すごい機材です」
「です」
「1人で運んだんですか? 言ってくれれば手伝いましたよ」
「です」
「いや、平気平気。もう終わったしな。サンキュ」

 朝からやって来たのは人もまだ疎らな青浪敬愛大学星港新校舎。そう、この春から青敬の一部学部はこの新校舎に移転することになっていて、それに伴いAKBCの活動もこれまでのキャンパスからこっちに移動することにしたんだ。で、旧サークル室から機材を運搬するっていう作業をちょこちょこやってて。
 元々人の集まりが鈍いAKBCだけど、どちらかと言えば移転する校舎の方にメンバーが多いこと、それから、来年度からはなんか暗黙の了解みたいな感じで俺がまとめることになってたんだけど、その俺の独断と偏見で決めたっていうな! 俺パねえ。向こうの校舎から来たいっつー奴は俺が送迎すればいいんだし。


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