「おはよう、こーた」
「菅野先輩、悲壮感に溢れていますがやっちゃんがどうかしましたか?」
「あ、ヤスのことだってわかった?」
「まあ、会う度やっちゃんの話しかしてませんからねえ」
ここ1週間、ヤスが情緒不安定だった。先週の土曜日、俺はカンと星羅の家に行っていて、スタジオ合わせをしたりきららを含めた4人でゲームをしたりして遊んでたんだ。星羅ときらら姉妹もゲーム好きだから、俺やカンとは話が合うんだ。だけど、そこに急遽ヤスが合流したんだ。
土曜夜、俺たちに合流したヤスは初っ端から大きな溜め息。それを星羅が「幸せが逃げるんだ」と窘めていたけど、ヤスはしょんぼりとした様子。話を聞けば、翌日曜に憧れの彼と会って学祭の映像を見せる約束をしていたそうだけど、それが彼の風邪で延期になってしまったと。