「うお姐」
「おっ、戸田。どうした」
仕事の付き添いでつばめ先輩の後ろを歩いていると、通りすがりの女の人との立ち話が始まってしまった。マンガ的な大きなポニーテールに、腰で結ばれたパーカー。見た目からして漂う姉御オーラ。
「通りすがりの挨拶」
「そうかそうか。まあ、朝霞班で元気そうにやってるじゃないか」
「おかげさまで。あっそうだうお姐」
「ん?」
「この子、ウチの班に入ったミキサーの1年生なんだけど。ほらゲンゴロー挨拶」
つばめ先輩にバンッと前に出され、その姐さんに朝霞班ミキサーの源ですとぺこり。3年生への挨拶はやっぱり緊張する。シゲトラ先輩と山口先輩はそんなでもなかったけど。