「うなー」
「ん、“うまー”にも派生系があったとは知らなかったよ」
土用の丑の日に、やることはひとつ。鰻を食べる大会だ。本当は僕1人で地元に帰って食べるつもりだったけど、成り行きで何人かが集まってしまった。
さて、ここで鰻を食べる会に参加してくれた愉快なメンバーを紹介するよ。
おいしいものを食べるとうまーと頬を綻ばせる菜月さん。僕と同じ山羽エリアから出て来ていながら鰻への情熱が薄い朝霞君。なになにみんなどこ行くの俺も俺もーとついてきた伊東。そして、主催の僕だ。
「助けてノサカ! テスト前やよ!」
あー、今年も始まった。テストが近くなるとヒロが俺に縋りつき始めるこの現象が。求める物は当然ノートだとか未提出課題を手伝えとかナントカっていう、それ。
去年の春学期は俺も初めてのテストで不安だったからヒロと一緒に勉強したりしていたけど、秋学期になれば完全に毟り取られる側になっていた。
2年になれば要領も掴めるだろうしテストとどう向き合えばいいかもわかるはずだ。ヒロにそんな期待を少しでも抱いた俺が馬鹿だったのは認めざるを得ない。
ヒロは大学生活をゆるりと送る要領を掴んだらしく、テストとの向き合い方で言えば直前になって俺に集ればいいとか思っているのには違いない。
「おはよー、っと、今日は盛り上がってるねー」
「大石先輩おはようございますー、あのですね、これなんですけど」
UHBCの1・2年生の間では現在スマホアプリのゲームが流行っていて、ヒマさえあればみんなやってるという状況。大石先輩は、今はこんなのがあるんだね〜と覗き込んでいる。
「アオの記録がなかなか破れないんですよ」
「ミドリ、難しいの?」
「ルール自体は単純なんですよ。この丸いのを同じので揃えると消えるっていうだけで」
「あっ消えた」
「これをしゅしゅしゅって上手いことやってスコアを伸ばしていくといいんですけど、誰がやってもランキングを破れないんですよー」
サークル室の鍵が開いていたからそのまま中に入ってみると、タカシが一心不乱に練習をしているようだった。机の上にはきっとキューシートがあるのだろう。波を書いているようにも見える。
電気もつけていないし、よほど集中しているのだろう。声をかけるのはもったいないような気がしないでもないけど、一応俺の存在はアピールさせてもらおう。
「あっ」
「タカシ、暗いとこで物書いてたら目悪くなるよ」
「あ、伊東先輩おはようございます」
お察し!
どうもこんばんは、エコです。
午前中だけゲームしようと思ってたら、うん、夕飯の時間になってた
エコさんあるある
しかしシミュレーションであの感じなんやったら乙女ゲーとかギャルゲーってどんなんよ……
などなどそんなことを考えながらあっつい部屋で延々とゲームをやっておりました
熱帯夜とか信じない
創作? その気になれば平日でも出来る!