「ちーぃー、いるー?」
「はーい。あっ、あずさ。どうしたの?」
「えっと、これ。作ったからハルちゃんと食べて」
「わー、ありがとう。そうだ、上がってく?」
日曜日のお昼過ぎ、タッパーを抱えてお邪魔する大石家。ちーとは小さい頃からの付き合い。高校まではずっと一緒。大学はあたしが星ヶ丘でちーは星大って感じで離れちゃったけど、今もこんな感じで一緒にいる間柄。
ちーは西海駅前でバーを営むお兄さんのハルちゃんと2人暮らし。お父さんとお母さんを小学5年生の頃に亡くしてからずっと。おじさんとおばさんはとても優しい人で、ちーとハルちゃんの両親だなって感じ。あたしも良くしてもらったのを覚えている。