「――ってなあ。急に言われてもなあ」
「ひと月ないっすもんね。トラさん、どーします?」
「でも、やんなきゃ夏に響くからなあ」
このタイミングかよ。多分それを知らされた全員がそう思ったに違いない。俺だって思ったぜ。各班の班長が集められ、放送部部長の日高直々に何の知らせだと思えば、ファンタジックフェスタに部としてステージを出す、と。
日高の脇ではいつものように監査の宇部が控える。日高に食ってかかろうとした魚里は、ピシャリと宇部に抑えられていた。そして、その場に呼ばれなかった班長がいた。その場でその名前を出すと、次に起こる出来事はお察し。