「あ〜さ〜か〜ク〜ン、お〜は〜よ〜」
金曜日に熱中症をやらかして、休養に充てた土日を経て今日に至る。ステージ前最後の一週間。星ヶ丘大学では先週の金曜からテスト期間に入っていて、今週も引き続きテスト週間だ。とは言え俺と山口はテストのない講義ばかり履修しているから、レポート提出を除けばあとは自由だ。
俺たちはテスト期間中の日中に動く作戦を取ることになっている。俺たちのテストがないのと、俺たちの妨害をしてくる日高がテストで手一杯なのと、という事情だ。日高の目さえなければ俺たちに対する監視網や妨害の手は緩まる。その隙にやることをやってしまうのだ。
戸田と源は1、2年だから授業コマ数もまだまだ多い。だけど使う音や道具などは今日に至るまでにほぼほぼ揃えてくれたし、後は台本に沿った練習が主になる。源に大きく影響を及ぼすような台本の変更はするなと戸田から釘を刺されているし、俺もそれには納得をして変更は些細な点に収めるつもりだ。