子ども……本当に、一桁年齢の頃は、意味もなく、なんでもできる万能感があった
周りの子たちも、同じだったろう
多分、周りの子たちより早く、その万能感は私には無くなってしまった
それは同時に、無力感を痛感させられた瞬間
変に歪んでしまった
心の片隅にぽつんと、でもキラキラと小さく光る純粋が、
その感覚を憶えている
確かに小さな身体となにも知らない無垢な脳は
今では“狭い世界”を“広い希望ある世界”と認識していて
万能感に満ちていた
無知の怖さ
しかし無知の純粋さ
無知による無謀さ
無知なところがありながら、年齢に合わない知識量
それがブレーキをかける
理性を働かせる
今は、知識がどんなにあろうとも、万能感を抱くことは一瞬もない
『解ってしまっている』から
有能でも無能でもない
私は偽善者でわがままで、時々助言とも皮肉とも冷やかしとも取れる、
口出しをする傍観者であるのだから