《ふぁんそんこそ気功の命・5/気功の山を歩こう!》
【ふぁんそんテクニック】
(六)
さて、ふぁんそん的なうごきの基本は脊椎は骨盤から揺れる、骨盤の動きによって脊椎が波打つように、波紋が伝わっていくように受動的に揺らされていること、腕は胸板から動くこと、胸板や大胸筋の動きによって、腕が手の先まで波打つように、波紋が伝わっていくように受動的に揺らされていることだった。
そして、最後のテクニックは手首から先の動きである。
手首だけなら、これまでの脊椎や腕のゆれと同じでよい。
即ち、手首を手の甲側に動かせば、手首は掌側に曲がり(掌屈し)、動きが止まると惰性(慣性の法則)によって手首は伸びてくる(起きてくる)。
手首を掌側に動かせば手首は反っていく(背屈する)。 しかしだ。
そのまま放っておくと、掌も指も動かない。
それは手首を速く振ってみればわかることだ。
手首をブルブルブルと速く振ると、その動きに寄って振られるように手首は独りでに掌屈、背屈を繰り返してはいるが、それより先の掌や指は動かない。
それは見た目にも美しくはない。
気功であれ、ヨガであれ、太極拳であれ、たのあらゆるスポーツであれ、完成された動きというものは美しいものであり、美しくなければならないのだ。
フィギュアスケートなどの解説を聞いていると、ジャンプや回転などの出来映え以外に、「指の先まで神経が行き届いていて綺麗ですね」などと言っているが、僕は気功の動きであろうと同じだと考えているのだ。
(二)
では、どうすれば良いのか。
ここに、掌での気の感覚を体感する技、〔気のボール〕をつくる技である(ふぁんそん掌)を加えるのだ。
手の甲側に動かしていく時、手首は掌屈するが、この時は掌の皮膚も指も緩んだ状態で良いのだが、手首を掌側に動かしていき、手首が背屈していく時に、掌から指の皮膚を伸ばしていくのだ。
そして、その掌や指の皮膚を伸ばしていく場合も、手根部から指の腹にかけて、順に伸ばしていくのである。
この掌や指の波打つような動きだけは〔受動的〕にはできない。
だから、その掌と指の動きは、歩く時の足のように、日常生活での手の動きのように、考えなくても濃いに動かさなくても独りでに動くように、体に叩き込んでおかねばならないのだ。