《最高の坐禅瞑想法:小周天・2、胴体周天/気功の山を歩こう!》


(二)
 〔気のボール〕が空間的な体積を持っていて、それを例えば胸板に押し当て、胸板の皮膚から皮下に現れてくるジワーッとした温かな〔ふぁんそん感覚〕を味わっていると、体の中と掌までの体の外との感覚が融合し、〔気のボール〕が体内に染みこんだような感覚になる。
 この感覚を用いて、下腹から胸板の上の方まででの貫気法の練習をしていると、体の中と外とで一つの円柱的な空間感覚が現れてくる。
 僕はそれを〔エアーエレベーター〕と呼んでいる。
 体の中と外とで空間的な円柱が出来、その中を〔温かな空気が昇降するのだ。
 そして、その感覚のままに、その円柱を額(前頭部)まで上げてみると、何と、顔の形丸ごとが、その円柱の中に入ってしまうではないか。
 額から降ろす場合も、顔は円柱の中にあるのだ。
 ということは、小周天の場合も、督脈、任脈などと経絡の名称は使っているが、それは大雑把なルートを示しているだけで、細井線で通すということではなく、体積を持った空間のエアーエレベーターを細長い楕円形にして、そこで回すということなのだ。
 顔の形にこだわらなければ、舌先を上の歯茎に当てることなどは小周天には関係のない話なのだ。
 こうして僕は、〔気のボール〕から〔エアーエレベーター〕の実感によって小周天を克服したのである。
 勿論、体の後ろ側でも〔エアーエレベーター〕の感覚を練習し、その後ろと前を繋いだのであるが。